確定申告がストレスになっていませんか? 確定申告への苦手意識を小さくするには、やはり「ざっくりとでも確定申告書そのものを理解しておくこと」が重要です。腰を据えて勉強できればベストですが、忙しい毎日のなかでは難しいもの。まずは「これくらいを頭に入れておくと次に繋げやすい」というくらいの基礎知識から入ることにしましょう。
この記事では、今後の理解がラクになるという確定申告書の基本をお伝えします。基本ではありますが、「確定申告書を読める」という実感は出てくるはずです。ぜひご一読ください。
毎年見ることになる確定申告書。その「第一表」については、大きな枠だけでもいいので理解しておきましょう。第一表の基礎知識を押さえておくと、確定申告や日々の仕訳を行う際にも、「いま自分はどの部分の数字をつくっているのか」がわかり、混乱しにくくなります。
第一表には大きな枠がいくつかありますが、とくに関係するのは①~④です(図内では、これらを簡単な言葉で言い換えて説明しています)。昨年の確定申告第一表がある方は見比べながら読んでいただけると、よりわかりやすいのではないでしょうか。
さらに、確定申告書からどの部分が税金の計算に使われるかをイメージ図にすると、以下のようになります。比べやすいように確定申告書も隣に並べます(各項目に使われている「色」が対応しています)。
いかがでしょうか。あくまでもイメージですが、それぞれの部分の理解にはお役立ていただけると思います。では、それぞれの項目についてもう少し詳しくご説明します。
事業による売り上げ、会社員やパート・アルバイトとしての給与、配当など、ご自身に一度でも入ってくるお金(「収入」)はすべてこの枠内に記載されます。
この1年間におけるご自身の「所得」となる部分です。「差し引くお金」そのものの金額ではなく、「収入から経費などを差し引いたあとの金額」になっているのを理解しておくことが重要です。
税金は掛け算(所得×税率)で算出されますので、「元の数字(所得)」が小さくなるほど税金の額も小さくなります。③は元の数字から差し引かれる金額ですので、金額が大きいほど税金は減ると覚えておきましょう。具体的には「社会保険料控除」や「生命保険料控除」、「寄付金控除」(ふるさと納税を含む)などが含まれます。
上記①~③に基づいて所得税を算出する項目です。国税庁の確定申告コーナーや会計ソフトで確定申告書を作成する場合、税金は自動的に計算されます。ただし、住宅ローン控除や災害免除、令和6年度の定額減税のように、特別な条件が発生する場合には注意しましょう。
確定申告書については、ここまでを頭に入れておくとスムーズです。社会保険料や生命保険料は支払時には大きな負担になりますが、結果的には税金を減らす効果がある(③に含まれる)……といったことなどもわかり、確定申告書とお金の流れの関係性がより身近になるのではないでしょうか。
もう少し節税について知っておきたいという方は、下記の記事をご一読ください。
参考:個人事業主・フリーランスならやっておきたい「所得税の対策」3選
https://www.finfin.jp/information/taxreturn/post_124.html
どんなことでもそうですが、確定申告と会計は経験がとても重要です。ですが、所得税の確定申告は年に一度しか経験できませんし、仕訳も「一年分を溜め込んで一気に片付ける」となると、なかなか経験値を積むことができません。ですから、苦手意識を持つのは当然のこと。確定申告書は大枠だけ、仕訳は毎回必ず登場するパターンだけを「とりあえず」頭のなかに入れ、少しでもハードルを低くすることが重要なのではないかと思い、このような記事にしてみた次第です。
この記事をお読みになり、少しでも「わかってきた気がする」と思えたなら、月々の仕訳に挑戦するチャンスかもしれません。会計ソフトを使うだけでも仕訳の知識は徐々に増えていきます。特に、FinFinのように「思い立ったらすぐに使える会計アプリ」は、会計への苦手意識を小さくしてくれるもの。ぜひチャレンジしてみてください。次の確定申告はいままでと違うものにしましょう!
確定申告が不安な方は、会計アプリを使ってスマホで済ませるのがおすすめです。
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1980年鳥取県米子市生まれ。約8年の税理士事務所での勤務経験を経て、2019年東京都府中市で天野大税理士事務所を開業。雇わない・雇われない働き方「ひとり税理士」。 小規模法人やフリーランス・個人事業主の税務を得意とし「ビジネスを通して社会を元気にする」を理念にスモールビジネス専門の税理士として活動中。