2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表して以降、副業禁止のルールを緩和する企業が増えています。2021年の調査では、企業の60.9%が「全面的に容認」もしくは「条件付きで容認」と回答しており、副業を行う会社員も増加傾向にあります。(パーソル総合研究所「第三回 副業の実態・意識に関する定量調査」より)
しかし、副業収入がある場合の確定申告について、そもそも確定申告が必要か分からなくて不安な方も多いのではないでしょうか。本記事では、副業における確定申告の必要性と、申告を怠った場合のリスクについて解説します。
会社員の副業における確定申告は、以下の場合に必要となります。
副業で得た収入が20万円を超えると、自ら申告して適切に納税する義務が生じます。
ここで重要なのは、「所得」と「収入」の違いです。
所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額を指します。つまり、収入が20万円を超えていても、経費を差し引いた所得が20万円以下であれば、必ずしも確定申告は必要ありません。
確定申告の要否を判断する際は、収入だけでなく、経費を考慮した所得の金額に注目しましょう。
ただし、住民税については副業所得20万円以下であっても申告が必要ですので、注意しましょう。
2か所以上から給与の支払を受けている場合、そのうちの「主な勤務先」からの給与については年末調整を受けることができますが、それ以外の給与の収入金額と各種の所得金額との合計額が20万円を超える場合は、確定申告が必要となります。ただし「主な勤務先」を退職済みである場合は、年末調整を受けることができないので、本業分も含めて確定申告が必要です。
出典:国税庁「確定申告が必要な方」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/01/1_06.htm
確定申告が必要な状況にもかかわらず申告しない場合、これは税法上の義務違反となり、以下のようなペナルティが発生します。未申告は法律違反(所得税法第120条違反)として扱われ、重大な結果を招く可能性があります。
確定申告を行わないと「無申告」とみなされ、本来納めるべき税額に加えて「無申告加算税」が課されます。無申告加算税は、本来納めるべき税額の15%(場合によっては20%)が追加で課税されます。
納付期限の翌日から納付の日までの期間に応じて延滞税が課されます。
無申告が継続的に行われていた場合、税務調査の対象となる可能性が高くなります。調査の結果、過去の申告漏れが見つかれば、さらなるペナルティが課される可能性があります。
「無申告」によって、本来納めるべき税額に上乗せされて課税しなければならないリスクが高まります。経済的な負担が大きくなるため、申告が必要な方は、しっかりと申告をしましょう。
副業における確定申告は、法律で定められた重要な義務です。
確定申告を怠ることによるリスクを避けるためにも、以下の点に注意しましょう。
副業を行う際は、収入を得ることだけでなく、適切な確定申告を行うことの重要性も認識して、計画的に取り組んでいきましょう。
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大学卒業後に4大税理士法人に入所。大手日系企業や外資系企業を中心に税務申告業務及び税務相談業務に従事。その後M&A部門に異動し、上場企業やファンド等を対象にM&A関連業務及びクロスボーダー取引等に関する税務アドバイザリー業務を担当。 2023年8月よりタイミーに参画し、新しい働き方における税制面の課題解決に向けて日々調査研究を行っている。