フリーランス・個人事業主のための
Finタメ・マガジン

今更聞けない!固定資産の「取得日」と「事業供用開始日」の違いを解説!

家の模型と%の木のブロック

固定資産税とは、土地や建物など「固定資産」と呼ばれる財産に課される税金のことをいいます。特に事業に関わる固定資産は金額が大きくなりやすく、固定資産税の負担も軽視できません。

さらに「減価償却」という会計上の考え方も重要で、しっかり理解しておかないと経費計上や税額計算で混乱しがちです。なかでも注意したいのが「取得日」と「事業供用開始日」の違い。これを正しく押さえることで、減価償却のタイミングや金額を間違えずに済みます。

この記事では、固定資産税の基本と、減価償却の際に確認すべきポイントをわかりやすく解説します。ぜひ参考にして、正確な会計処理に役立ててください。

▶︎この記事でわかること

  • ・固定資産とは何か、経費との違いを理解できる
  • ・どのような購入品が固定資産になるのかがわかる
  • ・固定資産を購入した際の会計処理や減価償却の考え方を理解できる
  • ・個人事業主や副業会社員が固定資産で注意すべきポイントを確認できる
  • ・確定申告で固定資産を扱う際の基本的な流れを把握できる

1.固定資産税とは?

事業で長期間にわたって使用する建物・パソコン・車両・機械設備などの資産を「固定資産」といいます。また、固定資産のうち、土地や家屋以外の事業に利用することができる資産を、「償却資産」と呼びます。

固定資産の種類
土地 田んぼ、畑、住宅地、池沼、山林、鉱泉地(温泉など)、牧場、原野などの土地
家屋 住宅、お店、工場(発電所や変電所を含む)、倉庫などの建物
償却資産 会社等(事業者)が所有する構築物(広告塔やフェンスなど)、飛行機、船、車両や運搬具(鉄道やトロッコなど)、備品(パソコンや工具など)など

参考:総務省「固定資産税」

これらの固定資産にかかる税金を、「固定資産税」と呼びます。固定資産税は固定資産の価値によって定められており、所有者である個人・法人は、その固定資産がある市町村に市町村税として納める必要があります。なお、東京都23区内に限っては、東京に対する都税となります。

2.減価償却とは?

固定資産の多くは、一般的な消耗品や日常的な経費とは異なり、時間の経過とともに価値が減少します。それらの資産は「減価償却資産」と呼ばれ、購入費用は原則として一度にまとめて経費計上できず、使用可能な期間(年数)に分割して計上しなければなりません。この会計処理のことを「減価償却」と言います。減価償却という手続きにより、適正に計算した「減価償却費」を毎期の経費に計上することができます。

建物、施設や備品などの「有形固定資産」だけでなく、ソフトウェアや特許権などの「無形固定資産」も減価償却をすることができる固定資産に含みます。また、使用可能期間は1年以上、取得価額が10万円以上のものが対象となります。なお、土地は減価償却を行いません。時間が経過しても価値が減らないという土地の性質に即した考え方になります。

3.減価償却費の会計処理

減価償却には「定額法」と「定率法」という2つの方法があります。なお、その固定資産を通常の用途・用法で使用できる期間(年数)のことを「耐用年数」といいます。耐用年数は国税庁ホームページで確認すると正確です。

参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

定額法

毎年同額の減価償却費を計上する計算方法です。具体的な計算方法は、減価償却資産の金額に一定の割合を掛けて減価償却費を計算します。割合は資産の耐用年数によって決められており、これについても国税庁のホームページを参照することで確認できます。取得した年によって割合は異なります。

参考:国税庁「減価償却資産の償却率等表」

計算式
減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率

定額法の場合、毎年割合は同じであり、金額も同じになります(最後の年のみ、「備忘価額」として1円、10円などを計上する必要があります。無形固定資産の場合は不要です)。

定額法は計算が簡単で、それがメリットであるとも言えますが、この次に説明する定率法に比べると、購入年に大きな節税を期待することができません。

定率法

その年における未償却残高に、一定の割合を掛けて減価償却費を算出し、計上していく方法です。年数を経ると未償却残高は減ります。また、算出した金額が「償却保証額」を下回るタイミングで計算方法を変える必要があります。

計算式
減価償却費 = 未償却残高 × 定率法の償却率

計算の結果、償却保証額以下になった場合

減価償却費 = 改定取得価額 × 改定償却率

※償却保証額…資産の取得価額に、当該資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算

参考:国税庁「減価償却資産の償却率等表」
償却率、改定償却率、保証率ともに表示されています。

定率法を行う場合には届出が必要であり、定額法に比べると計算が難しいというデメリットがあります(法人の場合を除く)。ただし、初年度に大きな節税を期待することができ、これを狙っての資産購入を行うことなどで、事業を有利に進めることができます。

4. 減価償却は「取得日」でなく「事業供用開始日」から

減価償却においては「いつから計算を始めるか」が重要になりますが、その数え始めは固定資産を引き渡された日である「取得日」ではなく、「事業供用開始日」からとなります。事業供用開始日とは、「本来の目的のために資産を使い始めた日」のことですので、設置しただけの場合や、試運転を行った日については該当しません。「取得日」と「事業供用開始日」が異なる場合には注意してください。

こちらに「軽自動車を固定資産として登録した日」の例があります。併せてご確認ください。

なお、決算月に取得・使用を開始したにもかかわらず、事業供用開始日は翌事業年度であると判断された事例があります。大きな設備投資を行う場合には税理士などに話を通し、確認するようにしましょう。

【スマホで簡単】FinFinを使って確定申告をしよう

固定資産の管理や減価償却の計算は、確定申告初心者にとって分かりづらいポイントのひとつです。日々の取引記録や経費管理を早めに整えておくことで、申告時の負担を減らしやすくなります。スマホ会計アプリ「確定申告FinFin」なら、日々の記帳から確定申告準備までまとめて管理できます。

スマホで撮影するだけでレシートや領収書が簡単に取り込め、仕訳も該当する項目を選ぶだけで完了します。税務署へ行かなくても、自宅にいながらスマホだけで確定申告ができます。確定申告をしたいと考えている個人事業主の方は「確定申告FinFin」を試してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q:固定資産と消耗品費の違いは何ですか?

A:固定資産は事業で長期間使用する資産で、一定金額以上の場合は減価償却の対象になります。一方、消耗品費は短期間で使用する備品や少額の購入品などを指し、購入時に経費計上できるケースが一般的です。

Q:パソコンは固定資産になりますか?

パソコンは取得価額や使用目的によって扱いが異なります。一定金額以上の場合は固定資産として計上し、減価償却を行う必要があります。金額や適用制度によって処理方法が変わるため確認が必要です。

Q:固定資産はいつから減価償却を始めますか?

A:原則として、購入した日ではなく「事業で使用を開始した日」から減価償却を行います。購入後に保管していた期間がある場合は、実際の使用開始時期を確認することが重要です。

Q.:固定資産はいくらから計上する必要がありますか?

A:固定資産に該当するかどうかは、購入金額や適用する制度によって判断します。一般的には取得価額が10万円以上の資産について固定資産として扱うケースが多いですが、青色申告者向けの特例などが適用できる場合もあります。実際の処理方法は購入金額や事業形態に応じて確認しましょう。

Q:固定資産と減価償却は何が違うのですか?

A:固定資産は事業で長期間使用する資産そのものを指します。一方、減価償却はその固定資産の購入費用を使用期間に応じて分割して経費計上する会計処理のことです。固定資産を取得した際に行う代表的な処理が減価償却です。

Q. 固定資産の耐用年数はどのように決まりますか?

固定資産の耐用年数は、資産の種類ごとに国税庁が定める「法定耐用年数」に基づいて決まります。例えば、パソコンは4年、自動車は6年(普通自動車の場合)とされています。減価償却費を計算する際の基準となるため、購入した資産の種類に応じた耐用年数を確認することが大切です。

Q. 中古で購入した固定資産も減価償却が必要ですか?

はい。中古で購入した固定資産も、原則として減価償却を行います。ただし、新品と同じ耐用年数を使用するとは限らず、使用状況や経過年数に応じて耐用年数を見積もる場合があります。中古資産の減価償却方法は条件によって異なるため、購入時に確認しておきましょう。

Q. 固定資産を売却した場合は確定申告が必要ですか?

固定資産を売却した場合、売却価格と帳簿価額との差額によって利益または損失が発生することがあります。利益が出た場合は所得として申告が必要になるケースがあり、損失が生じた場合も帳簿上の処理が必要です。事業で使用していた固定資産を売却した際は、確定申告での取り扱いを確認しましょう。

Q. 個人利用と事業利用が混在する固定資産はどう処理しますか?

事業とプライベートの両方で使用する固定資産は、「家事按分(かじあんぶん)」を行います。例えば、パソコンを事業で70%、私用で30%使用している場合は、減価償却費や関連費用のうち事業利用分のみを必要経費として計上します。按分割合は実際の利用状況に基づいて合理的に設定することが重要です。

家事按分に関する詳細は、以下の記事をご参照ください。

自家消費(家事消費)になる場合、ならない場合を仕訳の具体例と一緒に解説!

まとめ(3行要約)

・固定資産は事業で長期間使用する資産で、通常の経費とは扱いが異なる
・固定資産は原則として減価償却を行い、複数年に分けて費用計上する
・パソコンや車両など身近な設備も対象になるため、確定申告前に確認しておくことが大切

記事監修者紹介

久保佑紀税理士事務所 税理士
久保佑紀先生 久保佑紀税理士事務所

通信会社でシステムエンジニアとして働くが、結婚を機に退職。その後約10年間、中小企業の経理職や税理士事務所で働き、2023年に個人税理士事務所を立ち上げる。税務業務を中心にお客様のサポートをしながら、2 人の娘を育てるママ税理士。

請求書FinFin 5秒で発行!スマホで請求書 確定申告FinFinスマホで完結!カンタン確定申告アプリ