フリーランス・個人事業主のための
Finタメ・マガジン

2026.11.04 確定申告

【2027年分から改正】青色申告特別控除75万円とは?要件や変更点を解説

青色申告特別控除75万円とは?アイキャッチ

青色申告特別控除は、2027年分(令和9年分)から制度が改正され、e-Tax提出をはじめ一定の要件を満たすと控除額が最大75万円になります。一方、2027年分以後は、紙で確定申告書を提出する場合、青色申告特別控除の上限額が10万円となるため注意が必要です。この記事では、改正内容や控除額ごとの影響、75万円控除を受けるための条件と準備をわかりやすく解説します。

▶︎この記事でわかること

  • ・青色申告特別控除75万円とは何か
  • ・2027年分からの制度改正と控除額の違い
  • ・75万円控除を受けるための条件

1. 青色申告特別控除とは?2027年分から制度が改正

青色申告特別控除とは、一定の要件を満たす青色申告者が、事業所得や不動産所得などの金額から所定の金額を差し引ける制度です。控除によって課税対象となる所得金額を抑えられるため、所得税の負担軽減につながります。

2027年分(令和9年分)以後の所得税では、青色申告特別控除の制度が改正され、現行の上限65万円から75万円に引き上げられます。ただし、75万円控除を受けるには、e-Taxによる申告に加え、一定の電子帳簿保存などの要件を満たす必要があります。

2. 青色申告特別控除75万円・65万円・10万円の違い

青色申告特別控除の金額は、記帳方法や確定申告の方法、電子帳簿保存の要件などによって異なります。2027年分(令和9年分)以後は、一定の要件を満たすと控除額が最大75万円になる一方、申告方法によっては控除額が減る場合もあります。

【改正前後の青色申告特別控除額の早見表】

記帳方法 申告方法 優良な電子帳簿の保存orデジタルシームレス保存要件
(満たす:○/満たさない:×)
控除上限額・改正前 控除上限額・改正後(令和9年分〜)
複式簿記 e-Taxによる電子申告 ○ 65万円 75万円
複式簿記 e-Taxによる電子申告 × 65万円 65万円
複式簿記 紙申告 ○ 65万円 10万円
複式簿記 紙申告 × 55万円 10万円
簡易簿記 問わず(前々年収入1000万円以下※) – 10万円 10万円
簡易簿記 問わず(前々年収入1000万円超※) – 10万円 0円(対象外)


※「前々年分の収入金額」とは、前々年分の事業所得に係る収入金額、または事業的規模の不動産所得に係る収入金額を指します。事業的規模でない不動産貸付けは対象外です。事業所得と事業的規模の不動産所得が両方ある場合は、それぞれの収入金額で判定します。

⚠️紙で確定申告書を提出している人は要注意

これまで紙で確定申告書を提出していた人は、改正後に控除額が変わる可能性があります。最大75万円の控除を受けるには、e-Taxによる申告に加え、一定の電子帳簿保存などの要件を満たす必要があります。

控除額が減ると、課税対象となる所得金額が増え、所得税などの負担が増える場合があります。現在の申告方法や帳簿の保存方法を確認し、必要に応じてe-Taxでの申告や電子帳簿保存への対応を検討しましょう。

3. 青色申告特別控除75万円を受けるための条件

2027年分(令和9年分)から、青色申告特別控除で75万円の控除を受けるには、65万円控除の要件に加え、「優良な電子帳簿の保存」または「デジタルシームレス保存」の要件を満たす必要があります。

前提となる対象者は、以下の条件を満たす方になります。

  • ・事業所得、または事業的規模の不動産所得があること
  • ・現金主義による所得計算の特例を適用していないこと。

なお、事業的規模でない不動産所得のみの場合は、複式簿記による記帳やe-Taxでの申告を行っても、青色申告特別控除は最高10万円となります。一方、事業的規模でない不動産所得に加えて事業所得がある場合は、一定の要件を満たすことで65万円または75万円の控除を受けられる可能性があります。

(1)65万円控除の要件を満たす

まず、次の要件を満たす必要があります。

  • ・正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳する
  • ・確定申告書に青色申告決算書(貸借対照表を含む)を添付する
  • ・確定申告書と青色申告決算書のデータを、e-Taxで確定申告期限までに提出する

(2)電子帳簿保存に関する要件を満たす

65万円控除の要件に加え、次のいずれかに対応する必要があります。

① 優良な電子帳簿の保存

その年分の事業に係る仕訳帳・総勘定元帳について、対象期間の最初から、優良な電子帳簿の要件を満たす形で電子データによる備え付け・保存を行います。
主な要件は、訂正・削除などの履歴が残ること、帳簿間の相互関連性があること、日付・金額・相手方で検索できることです。また、原則として確定申告期限までに所定の届出書を提出する必要があります。

2027年分の控除を目指す場合は、2027年1月1日以降の取引から要件を満たせるよう、事前に会計ソフトや帳簿の保存方法を確認しておきましょう。

② デジタルシームレス保存

所定の基準に適合するシステムを使い、対象となる電子取引データを一定の要件に従って送受信・保存します。データの改ざん防止や電子帳簿との関連性の確保などが必要です。また、確定申告期限までに所定の届出書を提出する必要があります。

出典:国税庁「青色申告特別控除」の資料(PDF)

4. 紙で申告すると控除額はどうなる?

2027年分(令和9年分)以後は、青色申告特別控除の要件が変わるため、現在10万円控除を受けている人だけでなく、55万円・65万円控除を受けている人も、申告方法や記帳方法を確認する必要があります。

(1)紙で確定申告書を提出する場合

改正後は、確定申告書を書面で提出する場合、青色申告特別控除の上限額は10万円となります。

そのため、これまで55万円控除や65万円控除を受けていた人が、2027年分以後も紙で申告すると、控除額が減る可能性があります。控除額が減ると、課税対象となる所得金額が増え、所得税などの負担が増える場合があります。

控除額を維持・増額したい場合は、e-Taxによる申告への切り替えを検討しましょう。ただし、65万円控除や75万円控除には、複式簿記による記帳や青色申告決算書の提出など、それぞれの要件があります。

(2)簡易簿記で申告している場合

簡易簿記で記帳している場合の控除額は原則として最高10万円です。ただし、2027年分以後は、前々年分の事業所得に係る収入金額、または事業的規模の不動産所得に係る収入金額のいずれかが1,000万円を超える場合、簡易簿記のままでは10万円控除を受けられません。(不動産貸付けが事業的規模でない場合は、この除外の対象になりません。)

5. 2027年分の確定申告に向けて準備すること

2027年分(令和9年分)からの青色申告特別控除の改正に備え、現在の記帳方法や申告方法を確認しておきましょう。特に、紙で確定申告書を提出している人や、75万円控除を目指す人は、早めの準備が大切です。

①現在の申告方法と控除額を確認する

まずは、現在受けている青色申告特別控除の金額と、確定申告書の提出方法を確認しましょう。

2027年分以後は、紙で確定申告書を提出する場合、青色申告特別控除の上限額が10万円となります。これまで65万円や55万円の控除を受けていた人は、控除額が減る可能性があるため、e-Taxへの切り替えを検討することが重要です。

②e-Taxで申告できるように準備する

75万円控除を受けるには、65万円控除の要件を満たしたうえで、e-Taxによる申告に加え、「優良な電子帳簿の保存」または「デジタルシームレス保存」のいずれかの要件を満たす必要があります。

e-Taxを利用する場合は、マイナンバーカードや利用環境などを事前に確認しておくと、申告時の手続きを進めやすくなります。

③75万円控除に必要な届出書を提出する

75万円控除を受けるには、選択する保存方法に応じた届出書を、2027年分の確定申告期限までに所轄の税務署へ提出する必要があります。

A.優良な電子帳簿の保存を選択する場合

届出書の正式名称は「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る75万円の青色申告特別控除・過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書」です。

ただし、すでに優良な電子帳簿の保存によって65万円控除を受けるための届出書を提出している人は、改めて提出する必要はありません。

B.デジタルシームレス保存を選択する場合

次の届出書を提出します。
「電子取引の取引情報に係る電磁的記録に係る重加算税の加重措置の不適用の特例及び75万円の青色申告特別控除(個人事業者)の適用を受ける旨の届出書」

過去に提出している場合には、改めて提出する必要はございません。

届出書の様式や提出方法、提出済みの場合の取り扱いについての詳細は、国税庁の案内を確認してください。
国税庁:75万円の青色申告特別控除に関する届出書・案内(PDF)

④帳簿の記帳・保存方法を見直す

75万円控除を目指す場合は、日々の取引を正しく記帳するだけでなく、対象となる帳簿や電子取引データを所定の要件に従って保存する必要があります。

特に、優良な電子帳簿の保存によって75万円控除を受ける場合は、2027年1月1日から、仕訳帳・総勘定元帳を優良な電子帳簿の要件を満たす形で備え付け・保存しなければなりません。

現在利用している会計ソフトが必要な電子帳簿保存の要件に対応しているかも確認しましょう。
対応していない場合は、利用するソフトや保存方法の見直しが必要になることもあります。

青色申告特別控除75万円を目指すなら「確定申告FinFin」

2027年分から青色申告特別控除75万円を目指すなら、2027年1月1日以降の仕訳から、要件に沿って帳簿を記帳・保存する必要があります。

確定申告FinFinは、2027年分の青色申告特別控除75万円の優良な電子帳簿の保存要件に対応いたします(2026年内リリース)。早めに準備を進め、改正後の確定申告に備えましょう。

さらに、2026年分の確定申告から確定申告FinFinを利用すると、登録した基本情報を翌年の申告にも引き継げます。2027年分の確定申告もスムーズに進められるので、ぜひ2026年分からご活用ください!

まとめ

・青色申告特別控除は、2027年分(令和9年分)から制度が改正され、一定の要件を満たすと控除額が最大75万円になります。

・75万円控除を受けるには、e-Taxによる申告に加え、優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存などの要件を満たす必要があります。

・紙で確定申告書を提出する場合は控除額が減る可能性があるため、現在の申告方法や帳簿の保存方法を確認し、早めに準備しましょう。

 

よくある質問(FAQ)

Q:青色申告特別控除75万円はいつから適用されますか?

A:2027年分(令和9年分)の所得税から適用されます。75万円控除を受けるには、e-Taxによる申告に加え、優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存など、所定の要件を満たす必要があります。

Q:75万円控除を受けるには、e-Taxで申告するだけでよいですか?

A:いいえ。e-Taxによる申告だけでは足りません。複式簿記による記帳や、貸借対照表を含む青色申告決算書の提出など、65万円控除の要件を満たしたうえで、優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存などの追加要件を満たす必要があります。

Q:2027年分も紙で確定申告すると、控除額はどうなりますか?

A:国税庁の改正資料によると、2027年分以後、確定申告書を書面で提出する場合の青色申告特別控除の上限額は10万円となります。これまで55万円控除や65万円控除を受けていた方は、控除額が減る可能性があるため、申告方法を見直しましょう。

Q:75万円控除を受けるには、いつから準備すればよいですか?

A:2027年分の申告に向けて、2027年1月1日以降の取引から、必要な記帳・保存要件に沿って対応できるよう準備することが重要です。利用する会計ソフトが必要な電子帳簿保存などの要件に対応しているかを確認し、早めに準備を進めましょう。

Q:確定申告FinFinで75万円控除の要件を満たした申告はできますか?

A:確定申告FinFinでは、税制改正に対応し、青色申告特別控除75万円の要件を満たした申告が可能です。

請求書FinFin 5秒で発行!スマホで請求書 確定申告FinFinスマホで完結!カンタン確定申告アプリ