有利に開業できる!開業時に活用できる開業支援制度とは?

有利に開業できる!開業時に活用できる開業支援制度とは?

開業するためにはどんな準備が必要でしょうか?法的手続きを含め、多くの知識を養う必要があります。また、事業規模によっては資金調達も必要になるでしょう。

こういった開業時に利用したいのが、自治体が実施する開業支援制度です。ビジネスについて学ぶセミナーや、ビジネスパートナーと繋がるためのイベントなどを行い、これから開業したい人や開業したばかりの人を応援しています。また、融資の相談ができるものもあります。今回は、この開業支援制度や、開業時に活用できるその他の支援制度についてご説明します。

1.国や自治体による開業支援制度にはどんなものがある?

国だけでなくほとんどの自治体が、なんらかの形で開業支援制度を実施しています。さまざまなタイプがあるため、自分に合った支援制度を選ぶことが重要です。2023年6月時点で実施されている開業支援制度の一部を見てみましょう。

日本政策金融公庫 国民生活事業による「新規開業資金」新たに事業を始める人、あるいは事業を開始して7年以内の人に対し、最大で7,200万円(うち運転資金4,800万円)の融資を行う制度です。設備資金の返済期間は20年以内、運転資金は7年以内となっています。利率などはホームページで確認してください。「女性、若者、シニアの方で創業する方」は、通常よりも有利な条件で利用することができます。

日本政策金融公庫 新規開業資金

東京都の例「TOKYO創業ステーション」

東京都と東京都中小企業振興公社が運営。起業に興味がある人や、これから実際に起業する人を支援する拠点です。会員登録することにより、司法書士や税理士、中小企業診断士などのプロフェッショナルに起業・創業に関しての相談をしたり、役立つイベント・セミナーに参加したりすることができます。日本政策金融公庫、東京信用保証協会などと提携しており、融資の相談をすることも可能です。

拠点は「Startup Hub Tokyo 丸の内」「TOKYO創業ステーション TAMA」の2つ。同じく起業を目指す人や既に起業した個人事業主と交流できる「ラウンジ」があります。

なお、現在は受付を終了している「令和5年度第1回 創業助成事業」では、「都内での創業を具体的に計画している個人または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方」を対象に、最大300万円、助成対象経費(賃借料、広告費、器具備品購入費など)の3分の2以内を限度とした助成を実施していました。第2回目の実施日程や概要についてはまだ公開されていませんが、今後支援を受けたいと考えている人はチェックしておきましょう。

「東京開業ワンストップセンター」
(Tokyo One-Stop Business Establishment Center:TOSBEC)

国と東京都が共同で運営。法人設立や事業開始時に必要となる行政手続きのすべてを、ここだけで完了することができます。税務申請や健康保険・厚生年金保険、資金調達、事業計画などについての相談・書類申請が可能です。窓口・対面での相談だけでなく、オンラインの相談も可能。何度利用しても無料。また、TOSBECが実施する「東京開業支援セミナー」というイベントでも、起業に関する相談をしたり、講師による講義を受けたりすることができます。

神奈川県の例「創業支援融資」

神奈川県中小企業制度融資の創業者向けの融資で、個人事業にも利用できる制度です。運転資金・設備資金として、最大3,500万円を最長10年間、年1.8%以内の固定金利で借りることができます。

「商店街空き店舗活用事業(空き店舗開業助成事業)」(横浜市)

神奈川県横浜市内の商店街にある空き店舗で開業する人は、経費の一部を補助してもらうことができます。限度額は最大50万円です。

2.個性的な開業支援をしている自治体も

自治体によっては、非常に個性的な開業支援を行っているところもあります。たとえば、千葉県流山市では2015年から「市内で創業に興味を持つ子育て中の女性」を対象とした創業スクールを開始しました。多くの創業交流会、創業セミナーや座談会などが開催され、起業を目指す女性たちが積極的に参加しています。

創業スクール修了者は、「修了生サポート」を受けられる点にも注目です。サポートには、登記にかかる登録免許税の軽減や創業関連保証の限度額の拡充などが盛り込まれており、既に多くの女性たちが流山市内で起業し、活躍しています。

流山市ホームページ 流山市による創業・起業の支援について

また、京都府京丹後市では「フリーランス行政マン」として、週3~4日は公務員である「ふるさと創生職員」、その他の日はフリーランスとして自由に働くことができる制度を導入しています。これも、開業支援の一種と考えていいでしょう。

オープンイノベーションチーム「ふるさと創生職員」を採用について

3.開業支援を受けたいと思ったら

開業支援を受けたいと考えたら、まずはどんな開業支援があるのか徹底的に調べるようにしましょう。なかには非常に限定的と言える開業支援もありますが、それが自分の事業に合いさえすれば、申請の競争率も低く、有効活用できると考えられます。条件が細かく設定されていますので、しっかりと確認するようにしてください。

また、ご自身の事業にフィットする開業支援を見つけたら、できるだけ早めに申請の準備を開始しましょう。ほとんどの開業支援制度には期限があり、また、予算上限に達した場合には締め切りが前倒しされてしまいます。必要書類を揃えるのにも時間がかかるものですから、チャンスを逃さないよう気をつけてください。

さまざまな支援制度を利用できるよう、アンテナを張っておこう

開業支援制度はその時々の情勢により新しいものが創設されます。条件がよいものはすぐに募集枠がいっぱいになってしまいますので、常にアンテナを張り、利用できるものを逃さないようにしましょう。開業支援に関するホームページを定期的にチェックしたり、あるいは開業セミナーなどに参加したりして鮮度の高い情報を集めるのもおすすめです。SNSによる情報発信やコネクションについても最大限に活用しましょう。

このような支援制度を利用する際に重要なのは「事業計画」です。これから開業したいと考えているのなら、事業の内容をできるだけ具体的なものとし、ブラッシュアップを重ねていきましょう。支援を受けられる可能性が高くなります。もし開業支援制度を利用できなかった場合も、事業継続のための支援制度などがありますので、できるだけ利用してみてください。

記事監修者紹介  佐伯裕先生広尾税理士法人 税理士
佐伯裕先生 広尾税理士法人

横浜市出身。KPMG税理士法人で上場企業や投資ファンド等の申告業務、 M&Aアドバイザリー業務を経験したのち平成30年に東京で独立開業、令和3年に法人成り。 税コスト削減を視野に入れた中小企業の税務支援や事務負担軽減をサポート。会計バンクのFinタメ・マガジンの税務記事監修に関与。