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2025.07.14 副業

税金ってなに?学生でもわかる「税金の超入門講義」

TAXと掘られた積み木

はじめに:税金って難しそう…でも大丈夫!

「税金とは何か説明して」と聞かれて、スラスラ答えられる人は意外と少ないものです。特に、音楽・美術・デザインなどの専門学校や大学に通っている学生さんの中には、日々の創作活動に集中していて、税金やお金のことを学ぶ機会が少ない方も多いでしょう。

しかし、将来自分で作品を売ったり、フリーランスで活動する可能性があるなら、「税金 初心者」でも知っておくべき基本があります。本記事では、「税金とは?」という超基本から、「確定申告」との関係まで、わかりやすく解説します!

1. そもそも「税金とは」?

税金とは、国や自治体に納めるお金で、みんなが安心して暮らすために使われているものです。

例えば…
・学校や図書館、教材、先生の給料(教育・学校)
・警察や消防、救急車などの安全サービス(安全・防災)
・病院の建設・運営、高齢者や子育て世代への福祉支援(医療・福祉)
・信号、橋、上下水道の整備(道路・インフラ)
・ごみ収集、公園管理(公共サービス)

つまり、みんなのための社会を動かす原動力が税金なんです。

たとえば、あなたが今通っている音大・美大・専門学校の建物、そこまで通うために乗っている電車、雨の日に滑らないよう整備された歩道。それらの多くは、実は”税金”によって支えられています。

特に音楽や美術といった分野では、文化庁の支援や助成金によって展示会やコンサートが成り立つケースも多く、間接的に「税金がクリエイティブ活動の舞台をつくっている」と言えます。
つまり税金は、ただ”払わされるもの”ではなく、自分の学びや表現を支えている「見えないインフラ」なのです。

2. 税金の種類を知ろう

税金は、誰に納めるかで「国税」と「地方税」に分かれます。

・国税は、国の財政を支えるために課される税金で、所得税、法人税、相続税、酒税などがあります。
・地方税は、地方自治体の財政を支える税金で、住民税(個人・法人)、自動車税、固定資産税などがあります。

地方税はさらに、使い道によって「普通税」と「目的税」に分けられます。たとえば、温泉施設を利用するときの「入湯税」は、施設維持など特定の目的に使われる税金(目的税)です。

また、消費税やたばこ税のように、国税と地方税の両方にまたがる税金もあります。 たとえば消費税には、国に納める分と地方自治体に納める地方消費税の両方が含まれています。

📌 税金の分類

国税
├─
直接税:所得税、法人税、相続税など
└─
間接税:消費税、酒税、関税など
地方税
├─
直接税:住民税、事業税、固定資産税な
└─
間接税:たばこ税、入湯税など(※目的税も含む)

👉 「国税」は国に納め、「地方税」は都道府県や市区町村に納めます。
✅ 学生やフリーランスがよく関わるのは「所得税(国税)」と「住民税(地方税)」です。

📌 直接税と間接税の違い

税金の徴収方法も2つに分かれます。
・直接税:納税者が直接、自分の税金を納めるタイプ。例:所得税、住民税、相続税、固定資産税など。
・間接税:買い物などの代金に税金が含まれていて、実際にはお店が納めるタイプ。例:消費税、酒税、たばこ税など。

たとえば100円の商品を買うと、消費税10%が上乗せされて110円になりますが、実際に税金を納めるのはお店側です。

📌 直接税と間接税のしくみ

あなたが払う 所得税(直接税)→ 国へ
あなたが買う 消費税(間接税)→ お店→ 国へ
[収入] 所得税(国税)・住民税(地方税)
[買い物] 消費税(国税)

3. 無税の世界ってどうなる?

例えば、ある年に「若手クリエイター支援の助成金制度」がなくなったとします。その結果、卒業後に個展を開こうとしても、展示場所の使用料や広報費が全額自己負担になり、活動を始めることすら難しくなるかもしれません。
実際、税金が投入されることで利用できる安価な公共ホールや無料の創作スペースが存在している自治体もあります。
「税金は、創作を始める人の背中をそっと押してくれる存在」だと考えると、少し身近に感じられませんか?

「もし税金がなかったらどうなるの?」と想像してみてください。
・学校がなくなる?
・救急車を呼ぶのにお金がかかる?
・災害が起きても誰も助けに来ない?

そんな社会、怖くないですか?

税金は“みんなで支え合う仕組み”です。もし税金がなくなったら、お金のある人だけが安心できる社会になってしまいます。
👉 だからこそ、税金を納めることは「安心の仕組みづくり」に参加することなんです。

4. 「確定申告」って学生にも関係ある?

「確定申告」という言葉、聞いたことありますか? これは、個人が1年間で得た収入やかかった経費を計算して、正しい税金を納める手続きのことです。

 アルバイトだけなら、通常は会社がお給料から税金を差し引いて、あなたの代わりに払ってくれるので申告不要。
でも、こんなケースでは学生でも確定申告が必要になる可能性があります。
・イラストを描いて企業から報酬をもらった
・自分の作品をネットやイベントで販売した
・ライブで出演料をもらった

こうした”自分で稼いだ収入”は、原則として自分で確定申告し、税金を納める必要があります。

 📌 確定申告が必要になるケース

アルバイトだけ         確定申告は基本不要
作品販売・報酬あり     確定申告が必要!

5. なぜ納税しないといけないの?

日本では、**「納税の義務」**が法律で定められています。これは、

日本国憲法 第30条:「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」

と明記されています。
つまり、収入がある人は、その金額に応じた税金を納めることで社会に貢献しているんです。
特にフリーランスで活動する人は、自分で稼ぎ、自分で納税する”自立型”の生き方になります。これは自由と責任がセット。だからこそ、税金の基本を知っておくことがとても大切です。

もう一歩踏み込んで言えば、あなたが納めた税金は、次の世代の音大生・美大生が活動する「環境づくり」に使われるかもしれません。
税金は循環する投資”のようなものであり、「誰かが払ったから今の自分が学べている」、そして「自分が払えば誰かが次に学べる」仕組みになっています。
だからこそ、”納税=社会に対して表現活動をつなぐ責任”とも言えるのです。

6. まとめ:税金は、自分の未来に関わるリアルな話

税金は、単なる義務やお金の話ではありません。それは、あなたが社会の一員としてどう生きるか、どう活動を広げていくかに深く関わる“しくみ”です。

たとえば、
・あなたが作ったイラストがSNSで話題になり、グッズとして販売することになった。
・イベントに出演して演奏し、ギャラを受け取った。
・自分の作ったアクセサリーをネットショップで売った。

そんなとき、報酬が発生すれば、それはもう「税金」の世界に足を踏み入れたことになります。

また、音楽ホールやギャラリー、学校や図書館、公園や公共インフラが今あるのは、誰かが税金を納めてきたから。そうした環境の中で学び、活動できる今があるということは、社会の恩恵をすでに受けているということです。

税金を知ることは、その恩恵を次に渡す“バトン”を受け取る準備でもあります。表現を社会に届ける人こそ、社会の仕組みにも関心を持ちましょう。

税金は、“誰かに取られるもの”ではなく、“自分の活動と社会をつなげるルール”。知ることから、未来の自分への責任が始まります。

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記事監修者紹介

株式会社タイミー スポットワーク研究所
公共政策G
サービスリーガルエキスパートチームTL
税理士
渡邊 亮先生

大学卒業後に4大税理士法人に入所。大手日系企業や外資系企業を中心に税務申告業務及び税務相談業務に従事。その後M&A部門に異動し、上場企業やファンド等を対象にM&A関連業務及びクロスボーダー取引等に関する税務アドバイザリー業務を担当。 2023年8月よりタイミーに参画し、新しい働き方における税制面の課題解決に向けて日々調査研究を行っている。

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