青色申告って実はカンタン!ギグワーカーが知っておきたい節税の第一歩

UberEats・出前館・DiDi Foodといったフードデリバリー、クラウドソーシングでのライティングやプログラミングなど、本業としてギグワークで活躍されている皆さんの中には、「去年は白色申告だったけど、もっと節税できる方法はないの?」と感じているかもしれません。一方で、「青色申告ってなんだか難しそう」というイメージが先行し、手を出せずにいる方も…。
この記事では、青色申告のメリットや白色申告との違い、そして「青色申告承認」の手続きの流れ、さらには簡単に青色申告ができる会計アプリの活用法まで、初めての方でもスッキリ理解できるよう丁寧に解説します。この記事だけ読めば、青色申告の基本がわかり、ギグワークの所得を最大化するための第一歩を踏み出せることでしょう!
目次
1. 青色申告とは?白色申告との違いと圧倒的なメリット
まずは基本からおさえておきましょう。
青色申告とは、個人事業主やフリーランスの方が確定申告を行う際に選べる申告方法の一つで、一定の要件を満たせば税金上の優遇措置を受けられる制度のことです。もし昨年、白色申告をしていて、今後もギグワークを本業として続けていくのであれば、青色申告への切り替えを強くおすすめします。
白色申告との決定的な違い
白色申告との最も大きな違いは、帳簿付けの方法と、それによって得られる節税メリットの大きさにあります。
① 白色申告
簡易な帳簿付け(単式簿記)でOK。収入と支出を家計簿のようにつけるイメージです。手続きは比較的簡単ですが、税制上のメリットはほとんどありません。
② 青色申告
「正規の簿記の原則」、つまり複式簿記での記帳が求められます。複式簿記は、一つの取引を借方と貸方に分けて記帳するため、少々複雑に感じるかもしれません。しかし、この手間をかけることで、後述する絶大な節税メリットが得られます。
つまり、「手間を少なく済ませる代わりに節税メリットも小さい」のが白色申告、「ある程度の手続きをすればしっかり節税できる」のが青色申告です。
青色申告の主要なメリット
青色申告を選択する最大の理由は、その豊富な節税メリットにあります。ギグワーカーの皆さんに特に関係の深いメリットをいくつかご紹介しましょう。
① 最大65万円控除(青色申告特別控除)
これが青色申告の最大の目玉です!
複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に確定申告を行うことで、所得から最大65万円を控除することができます。つまり、あなたの所得が最大65万円減ることになるため、その分にかかる所得税や住民税が大幅に少なくなります。また、簡易帳簿による青色申告や現金主義の記帳では10万円の控除も選べますが、せっかくなら65万円控除を目指しましょう。なお、たとえ記帳の要件を満たしても、電子申告ではなく紙による申告をする場合は、最大55万円控除になります。
② 赤字を3年間繰り越せる(純損失の繰越控除)
もし事業が赤字(損失)になった場合、その赤字を翌年以降3年間繰り越して、翌年以降の黒字(所得)と相殺できる制度です。ギグワークを始めたばかりの年や、大きな設備投資をした年など、赤字になる可能性があります。そんなときでも、この繰越控除があれば無駄なく税金を抑えることができます。
③ 家族に支払った給料を必要経費にできる(青色事業専従者給与)
配偶者、親、15歳以上の子どもが、あなたの事業に専従している場合、その支払った給与を全額経費として計上できます。白色申告では「専従者控除」として一定額しか控除できませんが、青色申告では適正な金額であれば給与として経費にできるため、家族がいる方には大きなメリットとなります。例えば、経理を手伝ってもらったり、配達の補助をしてもらったりするケースが考えられます。
④ 減価償却の特例(少額減価償却資産の特例)
原則、10万円以上の事業用資産(バイク、PC、スマホなど)は、法定耐用年数に応じて少しずつ経費にしていきます(減価償却)。しかし青色申告者であれば、1単位あたり30万円未満の減価償却資産を一括で経費に計上できます(年間取得価額合計300万円まで)。これは、高額な業務用資産を購入した際などに、その年の経費として大きく計上できるため、非常に有利な制度です。
上記メリットを最大限に活用することで、白色申告では実感できなかったレベルの節税を実現できるでしょう。
2. 青色申告を始めるには?〜「青色申告承認申請書」の出し方〜
白色申告だった方が青色申告を行うには、まず「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければなりません。
① いつまでに出せばいい?
開業しているか | 期限 |
新規開業の場合 | 開業から2か月以内 |
すでに事業をしている場合 | その年の3月15日まで |
例えば、白色申告をしている方が2026年分の申告から青色申告に切り替えたい場合、2026年3月15日までに提出しなければなりません。
② 出し方は?
申請書の出し方は以下の3つです。
提出方法 | 手順 |
税務署に持参 | 納税地を所轄する税務署の窓口に直接持参 |
郵送 | 納税地を所轄する税務署宛(内部事務がセンター化されている地域では税務署事務処理センター宛)へ送付 |
e-Tax | 国税庁e-Taxソフトや対応する会計アプリで電子申請します。自宅から簡単に手続きが完結するのでおすすめ |
③ 書き方は?
申請書はA4サイズ1枚で完結し、記入項目もシンプルです。以下の内容を記入します。
- ・納税地・氏名・生年月日など … 基本情報を記載します。
- ・所得の種類 …「事業所得」にチェックを入れます。
- ・事業の種類 …「フードデリバリー業」「運送業」「ウェブライター業」など、ご自身の事業内容を具体的に記載します。
- ・所得税の青色申告の承認を受けようとする年 … 青色申告を開始したい年を記載します。
- ・簿記方式 … 65万円控除を目指すなら「複式簿記」にチェックを入れましょう。
- ・備付帳簿名 … 通常は「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」「総勘定元帳」「仕訳帳」などにチェックを入れます。
- ・記入例はこちらから。書き方がわからなくても、税務署の窓口で教えてもらうことができます。
3. 「難しい」はもう古い!会計アプリで青色申告はぐっとラクになる
青色申告の最大のメリットである65万円控除を受けるためには、複式簿記での記帳が義務付けられています。これが「青色申告は難しい」と言われる最大の理由でしょう。しかし、会計アプリを使えば、このハードルは劇的に下がります。もはや手書きで複雑な仕訳を行う必要はありません。
会計アプリが青色申告を簡単にする理由
会計アプリは、簿記の知識がなくても日常的なお金の動きを入力するだけで、自動的に複式簿記の形式で帳簿を作成してくれます。
会計アプリでできること
① 銀行口座連携
事業用口座をアプリに連携すれば、入出金データを自動で取り込み、仕訳候補を提案してくれます。あとは内容を確認して確定するだけ。手入力の手間が大幅に省けます。
② レシート・領収証の読み取り
スマホでレシートや領収証を撮影するだけで、日付、金額、費目を自動で読み取り、仕訳を作成してくれます。もうレシートを溜め込んで手入力する作業は不要です。
③ 勘定科目の自動推測
入力されたデータや連携された情報から、適切な勘定科目を推測してくれます。「この支出は何の科目にすればいいの?」といった悩みから解放されます。
④ 決算書の自動作成
損益計算書や貸借対照表など、青色申告に必要な決算書類を自動で作成してくれます。
⑤ 確定申告書の作成機能
入力されたデータをもとに確定申告書を自動作成する機能を備えています。悩むことなく、画面タップでe-Taxでの提出まで完了できます。
まとめ
もう白色申告のままでオトクを逃す時代は終わりました。ギグワークで得た所得を最大化するためにも、ぜひこの機会に青色申告への切り替えを検討し、会計アプリをあなたのビジネスパートナーとして活用してみてください。きっと、確定申告がもっとラクになることでしょう。
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