請求書に収入印紙は必要?不要なケース・必要なケースと印紙税額を解説
請求書を作成するとき、「収入印紙を貼る必要はある?」「5万円を超えたら印紙が必要?」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論からいうと、単に代金を請求するために作成した請求書であれば、原則として収入印紙は必要ありません。ただし、請求書に「支払済み」などと記載して代金を受け取った事実を証明する文書として使用する場合は、印紙税の課税対象となることがあります。
この記事では、請求書に収入印紙が必要になるケース・不要なケースのほか、紙と電子の違い、請求書兼領収書、5万円の判定、印紙税額などについて解説します。
▶︎この記事でわかること
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目次
1. 収入印紙とは?
収入印紙とは、印紙税などの税金や国への手数料を納付するために使用する証票です。印紙税は、すべての請求書や領収書にかかるわけではありません。印紙税法で定められた「課税文書」に該当する場合に、印紙税が課税されます。
重要なのは、「請求書」「領収書」といった文書の名称だけで、印紙税の対象になるかどうかが決まるわけではないということです。たとえば、請求書であっても、代金を受け取った事実を証明する目的で作成されている場合は、印紙税法上の「受取書」に該当することがあります。
そのため、収入印紙が必要かどうかは、文書の名称ではなく、記載内容や作成目的、実際の取引内容などを確認して判断することが大切です。
2. 原則、請求書に収入印紙は不要
商品やサービスの代金を請求するためだけに作成した請求書であれば、原則として収入印紙を貼る必要はありません。印紙税の課税対象となる「受取書」は、金銭や有価証券を受け取った事実を証明するために作成し、支払った人に交付する証拠証書を指します。
そのため、まだ代金を受け取っていない段階で、単に「○月分の業務委託料として○円を請求します」と記載した請求書は、通常、受取書には該当しません。
ただし、請求書であっても、代金を受け取ったことを証明する内容が含まれる場合は扱いが変わります。
3. 請求書に収入印紙が必要なケース
請求書が「受取書」に該当する場合
請求書に収入印紙が必要になる代表的なケースは、請求書が代金を受け取ったことを証明する「受取書」に該当する場合です。
たとえば、請求書に次のような記載をしたケースが考えられます。
- ・「代済」と記載している
- ・「支払済」と記載している
- ・「領収済」と記載している
- ・支払いを受けたことを示すスタンプを押している
- ・請求書兼領収書として発行している
国税庁も、請求書や納品書などであっても、「代済」「相済」「了」などの記載によって受取事実を証明する目的の文書となっている場合は、金銭または有価証券の受取書に該当するとしています。つまり、「請求書」というタイトルだから収入印紙が不要なのではなく、その文書が何のために作成されたものなのかが重要です。
請求書兼領収書の場合
「請求書兼領収書」として、請求と領収の両方を1枚の書類で行う場合も注意が必要です。
請求書兼領収書が、実際に代金を受け取った事実を証明する文書として作成されている場合、印紙税法上の「売上代金に係る金銭または有価証券の受取書」に該当する可能性があります。この場合、記載金額に応じて印紙税がかかります。
ただし、「請求書兼領収書」という名称だけで一律に判断するのではなく、実際の記載内容や取引の状況を確認する必要があります。
4. 紙の請求書と電子請求書で収入印紙の扱いは違う?
請求書を紙で発行するか、PDFなどの電子データで発行するかによって、印紙税の扱いは異なります。
紙の請求書
紙で作成・交付した請求書が、印紙税法上の課税文書に該当する場合は、印紙税が課税される可能性があります。
たとえば、紙の請求書に「支払済」などと記載し、代金を受け取ったことを証明する受取書として交付する場合です。
電子請求書
PDFなどの電磁的記録として請求書や受取書を作成し、電子メールなどで送信する場合、電磁的記録そのものは印紙税法上の「文書」には含まれないため、原則として印紙税は課税されません。
そのため、紙で交付する場合と、PDFなどの電子データで交付する場合では、印紙税の扱いが異なります。なお、電子データを作成した後に紙に印刷して相手に交付するなど、取引の実態によって扱いが変わる場合があります。
5. 収入印紙はいくら必要?印紙税額を確認
請求書が印紙税法上の「売上代金に係る金銭または有価証券の受取書」に該当する場合、記載金額に応じて印紙税額が決まります。
主な印紙税額は次のとおりです。
| 記載金額 | 印紙税額 |
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上100万円以下 | 200円 |
| 100万円超200万円以下 | 400円 |
| 200万円超300万円以下 | 600円 |
| 300万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 2,000円 |
| 1,000万円超2,000万円以下 | 4,000円 |
| 2,000万円超3,000万円以下 | 6,000円 |
| 3,000万円超5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 20,000円 |
| 1億円超2億円以下 | 40,000円 |
| 2億円超3億円以下 | 60,000円 |
| 3億円超5億円以下 | 100,000円 |
| 5億円超10億円以下 | 150,000円 |
| 10億円超 | 200,000円 |
※売上代金に係る受取書の場合。その他の受取書や非課税となるケースがあります。
6. 消費税を含めると5万円を超える場合は?
印紙税の記載金額を判断するとき、消費税額等の扱いにも注意が必要です。
消費税額等を区分して記載している場合など、一定の条件を満たす受取書では、消費税額等を記載金額に含めずに判定できます。
たとえば、次のように記載されている場合です。
- 商品・サービスの対価:48,000円
- 消費税額等:4,800円
- 合計:52,800円
この場合、消費税額等が区分して記載されていれば、印紙税の記載金額は48,000円として扱われ、5万円未満の受取書として非課税となります。
一方、消費税額等が区分されておらず、記載された金額から消費税額等が明らかにならない場合などは、税込金額を基準に判断することがあります。印紙税の判定では、請求書・領収書に税額をどのように記載しているかも確認しましょう。
7. 収入印紙を貼ったら「消印」も必要
印紙税の課税文書に収入印紙を貼った場合は、印紙を貼るだけではなく、消印をする必要があります。消印とは、貼り付けた収入印紙と文書にまたがって印章や署名などをし、印紙を再利用できない状態にすることです。

収入印紙が必要な文書を作成した場合は、
・必要な金額の収入印紙を用意する
・課税文書に収入印紙を貼る
・印紙と文書にまたがるように消印する
という流れで納付します。
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