スキマバイトは確定申告が必要?対応すべきケースや申告漏れのリスクを解説

2025年8月4日、地域別最低賃金額の改定基準が発表され、過去最高の63円の引き上げが目安とされました。全国的な最低賃金アップが進み、時給として得られる金額が過去最高水準になりました。これに併せて、スキマ時間を有効活用しアプリを通じて働く「スキマバイト」でも、同じ時間でより多くの収入が得られるようになります。
しかし、この“稼ぎやすさ”が思わぬ税金トラブルにつながることも…これまで確定申告が不要だった人が、収入の増加によって申告対象になるケースが多くなると予想されます。確定申告期間中に申告をしないと、延滞税や無申告加算税が課され、結果的に納める税金が増えてしまう可能性があります。今回の記事では、スキマバイトにおいて確定申告が必要なケースと不要なケースをわかりやすく解説し、申告手続きや注意点についてもご紹介します。
また、スポットワーカー向けの確定申告アプリ「確定申告 for スキマバイト」を活用すれば、スキマバイト先の源泉徴収票をスマホで撮って取り込むだけで、確定申告が必要かどうかがわかります。また、確定申告が必要となった場合は、取り込んだ源泉徴収票をもとに確定申告書を作成し、e-Taxと連携してスマホから簡単に提出することが可能です。まずはアプリを使って自分の申告状況を確認してみましょう。
目次
1.確定申告とは?アルバイトとスキマバイトの税務上の違いも解説
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に得た所得金額と、それに対する所得税額を計算して税務署に申告・納付する手続きのことを指します。この手続きは、所得が発生した翌年の2月16日から3月15日までの1ヶ月の期間に行うこととされています。
また、一般的なシフト制のアルバイトと短期単発で働くスキマバイト、働き方には違いがありそうですが、会社との間で雇用契約が締結されている点は同じであるため、税金の扱いも概ね同じです。
働き方 | 特徴 |
アルバイト(継続雇用) | 給与所得として会社が源泉徴収や年末調整を実施 |
スキマバイト(日々雇用) | 給与所得として会社が源泉徴収を実施するが年末調整の対象とはならない |
2.知らないと損する!スキマバイトで確定申告が必要になる4つのケース
スキマバイトは「ちょっとしたお小遣い稼ぎ」くらいに思われがちですが、税金のルールを知らないとあとで困ることも。ここでは特に多いケースをわかりやすく紹介します。
スキマバイトの収入が年間20万円を超えたとき
本業として会社から給料をもらっている人は、副業であるスキマバイトの収入が年間20万円を超えると確定申告が必要です。例えば、数か所でスキマバイトを掛け持ちしていたり、高時給の仕事をしていると、あっという間に20万円を超えることがあります。
給料以外の収入しかない場合は123万円以上で申告が必要
もし本業の給料がなく、スキマバイトだけで収入を得ている場合は、年間の収入が123万円を超えると確定申告が必要です。
スキマバイトの給料から税金が引かれていないとき
月毎にお給料が振り込まれるアルバイトとは違い、その都度お給料を受け取ることができるスキマバイトでは税金が引かれないこともあります。もし掛け持ちしているスキマバイト先で税金が引かれていなければ、自分で申告して納める必要があります。
税金が多く引かれている場合は還付申告ができる
スキマバイト先で源泉徴収されていても、払いすぎていることがあります。そんなときは確定申告をすれば税金が戻ってくることも。
3.確定申告をしないとどうなる?
確定申告の期限を過ぎてしまうと、「無申告加算税」というペナルティが課される可能性があります。これは、本来払うべき税金にプラスして支払わなければならない追加の税金です。無申告加算税は、税金の金額によって割合が変わります。
納付すべき税額 | 課税割合 |
50万円までの部分 | 15% |
50万円から300万円までの部分 | 20% |
300万円を超える部分 | 30% |
さらに、申告や納付が遅れた日数に応じて「延滞税」もかかるので、できるだけ早く申告することが大切です。もし期限内に申告や納付ができなかった場合でも、1日でも早く手続きを済ませることでペナルティを軽くできます。「やらないと怖い」だけでなく、「やれば還付や節税で得できる」という意識を持つことが重要です。
4.稼ぎやすくなった分、今からやるべき準備
年間の収入を把握する
カレンダーやアプリでスキマバイトの収入をこまめに管理しましょう。どの仕事でどれだけ稼いだかを把握することで、確定申告の準備がスムーズになります。
申告作業の簡略化
スマホアプリやクラウド会計ソフトを活用すると、収入や経費の管理が自動化でき、確定申告書の作成も簡単になります。初めての人でも使いやすいツールを選ぶのがおすすめです。
5.確定申告アプリ「確定申告 for スキマバイト」で日々の収入を管理しよう
最低賃金の上昇は収入アップのチャンスですが、税務知識がなければその恩恵を受けきれないどころか損をする可能性もあります。スキマバイトは自由度が高い分、収入の管理も自分で行わなければなりません。
そこでおすすめしたいのが、大手スポットワークサービス事業者「タイミー」が公認する確定申告アプリ「確定申告 for スキマバイト」です。このアプリは、スキマバイトで得た給料の源泉徴収票をスマホで読み込むだけで、確定申告が必要かどうかを簡単に判別。スキマバイトに特化した設計で、かんたんな質問に答えるだけで確定申告の書類が完成します。
スマホ操作だけで確定申告ができるため、初めての方でも安心。ぜひ早めの準備で税金の不安をなくし、安心してスキマバイトで働きましょう。
記事監修者紹介

公共政策G
サービスリーガルエキスパートチームTL
税理士
渡邊 亮先生
大学卒業後に4大税理士法人に入所。大手日系企業や外資系企業を中心に税務申告業務及び税務相談業務に従事。その後M&A部門に異動し、上場企業やファンド等を対象にM&A関連業務及びクロスボーダー取引等に関する税務アドバイザリー業務を担当。 2023年8月よりタイミーに参画し、新しい働き方における税制面の課題解決に向けて日々調査研究を行っている。