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電子マネーの仕訳はどうする?この機会にチェック!

電子マネーの仕訳はどうする?この機会にチェック!

キャッシュレスが進み、事業に利用するものを電子マネーで購入することも珍しくありません。経費を電子マネーで支払った場合、仕訳はどうなるのでしょうか?プリペイド方式とポストペイ方式で処理が異なるため、しっかり区別して覚えておきましょう。

1.プリペイド方式とポストペイ(後払い)方式で経理処理が異なる

電子マネーには、事前にお金をチャージしておく「プリペイド方式」と、利用した分のお金が後日まとめて登録口座から引き落とされる「ポストペイ方式」(後払い方式)とがあります。どちらの方法で電子マネーを使うかによって処理が異なるので、注意が必要です。

プリペイドの場合Suicaなどの交通系ICカードが多いプリペイド方式。プリペイドではチャージした時点で「仮払金」「前払費用」「預け金」などの勘定科目で扱うことになります。どの勘定科目にするかを自分で決め、常に同じ勘定科目で処理するようにしましょう。

「現金10,000円をチャージした」
貸方 借方
仮払金 10,000 現金 10,000
「その後、チャージしてあった10,000円のうち、500円を電車代として使った」
貸方 借方
旅費交通費 500 仮払金 500

このような処理になります。
プリペイドで事業に関わる買い物をした場合には、必ず領収書を発行してもらい、保管しておきましょう。チャージによる電子マネーは、基本的には現金と同じ位置付けにあると考えられており、多くの場合は領収書を発行してもらうことができます。また、情報さえそろっていれば、レシートでも問題ありません。

「電子マネーで消耗品を3,000円分購入した」
貸方 借方
消耗品費 3,000 未払金 3,000
「その後、口座から利用金額の3,000円が引き落とされた」
貸方 借方
未払金 3,000 普通預金 3,000

ポストペイの場合、店舗などで購入すればほとんどの場合領収書やレシートを入手することができますが、インターネットでの購入では発行されない場合もあります。店舗側にも発行の義務はありません。事前に領収書について確認してから買い物をする必要も出てくるでしょう。

Amazonや楽天市場などの大きな通販サイトでは、購入履歴から領収書を発行することができます。明確な処理をするためにあえてこのようなサイトを選ぶのも一つの方法です。

なお、店舗で発行される「クレジットカードの利用明細書」は税法上領収書として取り扱うことができません。しかし、今後のインボイス制度導入後も補足資料として活用できることが考えられます。領収証あるいはレシートとともに保管しておく習慣をつけましょう。確定申告した経費にかかわる領収証やレシートは、7年間の保管義務があります。

2.プライベートの利用と事業の利用とを混同させないことが重要

「クレジットカードや口座はプライベート用と事業用とで分けた方がいい」という考え方は、電子マネーにおいても同じです。可能であれば「PayPayはプライベートな利用に留める」「楽天ペイは事業用にする」など、電子マネーの種類に使い分けのルールを決めて利用したほうが、処理は簡単になります。あくまでも「処理しやすくするための個人的なルール」ですが、決めておくだけで処理が格段に簡単になりますので、ぜひ考えてみてください。

3.「現金」で処理しても問題なし

会計は正確に行われるべきものですが、なにを使って支払ったかについては重要でないこともあります。特に、金額が大きくないものについては、会計上「購入したこと」さえ記録すれば問題になりません。これは企業会計においても「重要性の原則」として認められている考えで、簡易な方法を選ぶことは悪いことではないのです。

電子マネーの場合、「現金で購入したことにする」というのが簡易的な処理に当たります。最初にご案内した「電子マネーで消耗品を3,000円分購入した」についても、現金で購入したことにすれば、「仮払金」とする必要はなく、「現金」で処理できます。

「電子マネー(現金)で消耗品を3,000円分購入した」
貸方 借方
消耗品費 3,000 現金 3,000

このような処理も可能ですので、覚えておきましょう。ただし、クレジットカードの引き落としの処理などが重複してしまう危険性はあります。「この電子マネーについてはすべて現金で処理する」など、使い方と処理を統一させることが重要です。

まとめ

電子マネーはとても便利なものですが、頻繁に使うことが多く、「処理漏れ」の心配も多いものです。利用履歴などを印刷、あるいは画像などで保管し、できるだけこまめにチェックするようにしましょう。処理の仕方よりは「使い方のルール」で会計ソフト・アプリへの登録がぐっとラクになりますので、なにも考えずに使っていたという人は、改めて意識してみてください。

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記事監修者紹介

久保佑紀税理士事務所 税理士
久保佑紀先生 久保佑紀税理士事務所

通信会社でシステムエンジニアとして働くが、結婚を機に退職。その後約10年間、中小企業の経理職や税理士事務所で働き、2023年に個人税理士事務所を立ち上げる。税務業務を中心にお客様のサポートをしながら、2 人の娘を育てるママ税理士。