「請求書と領収書は何が違うの?」
「請求書があれば領収書はいらない?」
「領収書をなくした場合、請求書で代用できる?」
フリーランスや個人事業主として経費を管理していると、請求書と領収書の扱いについて迷うことがあります。
結論として、請求書と領収書は役割が異なるため、原則として請求書だけで領収書の代わりにすることはできません。ただし、銀行振込やクレジットカード払いなど、請求書と支払いの事実を確認できる資料を組み合わせることで、経費の証拠書類として整理できるケースがあります。
この記事では、請求書と領収書の違いから、両方必要になるケース、支払方法別の考え方、領収書を紛失した場合の対応、電子データの保存、インボイス制度との関係まで解説します。
▶︎この記事でわかること
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目次
1. 請求書と領収書とは?それぞれの違いを解説
請求書と領収書は、どちらも取引に関する重要な書類ですが、役割が異なります。
請求書は「代金を支払ってください」と請求するための書類、領収書は「代金を受け取りました」と支払いを証明するための書類です。
| 請求書 | 領収書 | |
| 主な役割 | 代金を請求する | 代金を受け取ったことを証明する |
| 発行するタイミング | 支払い前が一般的 | 支払い後が一般的 |
| 主な内容 | 商品・サービスの内容、金額、支払期限など | 支払金額、支払日、但し書きなど |
| 支払いの事実 | 請求書だけでは原則確認できない | 支払いを確認する資料になる |
このように、請求書が発行されているからといって、必ずしも代金が支払われたとは限りません。そのため、請求書と領収書は基本的に別の書類として考える必要があります。
領収書の具体的な発行方法や保管方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
Finタメ・マガジン|領収書の発行方法と保管方法|フリーランスの正しい対応とは?
2. 請求書と領収書は両方必要?
請求書と領収書を必ず両方そろえなければならない、というわけではありません。
重要なのは、その取引について「何にいくら支払ったのか」「実際に支払ったのか」を確認できる資料を適切に保存しておくことです。
個人事業主は、業務に関して作成・受領した請求書や領収書などの書類を保存する必要があります。例えば、現金で支払って領収書を受け取った場合は、領収書によって支払いを確認できます。
一方、銀行振込で支払った場合には、請求書と銀行の振込明細・通帳などを組み合わせて、取引内容と支払いの事実を確認できるようにしておくとよいでしょう。
つまり、「請求書+領収書」という組み合わせだけに限定するのではなく、取引内容と支払いの事実を確認できる資料をそろえることが重要です。
3. 請求書は領収書の代わりになる?
原則として、請求書だけを領収書の代わりにすることはできません。請求書は代金を請求するための書類であり、請求書が発行された時点では、まだ支払いが完了していない可能性があるためです。
ただし、次のような場合には、請求書を含む複数の資料によって、取引と支払いの事実を確認できることがあります。
3-1. 請求書が領収書の役割を兼ねている場合
請求書に「領収済み」「代済み」などの記載があり、支払いを受けた事実を証明する書類として発行されている場合は、請求書であっても領収書の役割を兼ねることがあります。また、「請求書兼領収書」のように、請求と領収の両方を目的として発行される書類もあります。
3-2. 銀行振込で支払った場合
銀行振込の場合、現金で支払ったときのような領収書が発行されないことがあります。この場合は、請求書と振込明細、通帳の記録などを組み合わせて保存し、取引内容と支払いの事実を確認できる状態にしておくことが大切です。
請求書だけでは支払いが完了したことを確認できないため、請求書を保存すればそれだけで十分、と考えないようにしましょう。
3-3. クレジットカードで支払った場合
クレジットカードで事業用の支払いをした場合も、店舗などから領収書が発行されないケースがあります。この場合は、請求書や利用明細などを保存し、何を購入したのか、いつ、いくら支払ったのかを確認できるようにしておくとよいでしょう。
なお、クレジットカードの利用明細だけでは取引内容が十分に分からないこともあります。請求書、レシート、利用明細など、取引の内容を確認できる資料をあわせて保管することをおすすめします。
4. 領収書を紛失した場合はどうする?
領収書を紛失してしまった場合は、まず発行元に再発行できるか確認しましょう。再発行が難しい場合には、銀行振込なら振込記録、クレジットカード払いならカード利用明細など、支払いの事実を確認できる資料を保存しておくことが重要です。
また、現金で支払ったものについて領収書がない場合は、出金伝票を作成して取引内容を記録しておく方法もあります。
出金伝票には、一般的に次のような内容を記載します。
- ・支払日
- ・支払先
- ・支払った金額
- ・支払内容
- ・支払った理由
ただし、出金伝票を作れば、領収書がなくても必ず経費として認められるという意味ではありません。取引の内容や支払いの事実を確認できる資料があれば、あわせて保存しておきましょう。
5. 請求書・領収書はどのくらい保存する?
個人事業主は、業務に関して作成・受領した請求書、納品書、領収書などの書類を保存する必要があります。
国税庁によると、これらの書類の保存期間は原則5年間です。ただし、消費税の仕入税額控除に関係する請求書等については、7年間の保存が必要になるなど、税務上の区分によって保存期間が異なります。そのため、個人事業主の場合は、「領収書は何年保存すればよいか」だけで判断せず、自分の申告方法や消費税の課税状況などに応じて保存期間を確認することが大切です。
引用:国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
6. 電子データの請求書・領収書はどう保存する?
メールでPDFの請求書や領収書を受け取った場合など、電子データで取引情報を受け取った場合は、電子帳簿保存法の「電子取引」に該当することがあります。国税庁は、電子取引で受け取った請求書や領収書などについて、一定の要件に従って電子データを保存する必要があるとしています。
紙に印刷するだけで済ませるのではなく、電子データ自体の保存についても確認が必要です。例えば、取引先からPDFの請求書がメールで送られてきた場合は、PDFファイルを適切に保存しておきましょう。
電子帳簿保存法の保存要件は、保存方法や取引の状況によって異なるため、具体的な要件は国税庁の最新情報を確認してください。
7. インボイス制度と請求書・領収書の関係
インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、原則として一定の事項が記載された帳簿と適格請求書等の保存が必要です。ここで重要なのは、インボイスは「請求書」という名称の書類に限られないという点です。
必要な事項が記載されていれば、請求書だけでなく、領収書や納品書なども適格請求書(インボイス)に該当します。そのため、「領収書だからインボイスではない」「請求書なら必ずインボイスになる」とは限りません。
インボイス制度の対象となる取引では、書類の名称ではなく、必要な記載事項を満たしているかを確認することが重要です。
8. 請求書や領収書をきちんと管理して、確定申告に備えよう
請求書や領収書は、確定申告のためにも日頃から整理しておくことが大切です。紙の領収書だけでなく、PDFの請求書やクレジットカードの利用明細なども含めて、取引ごとにまとめておくと、確定申告の際に確認しやすくなります。
FinFinなら、スマートフォンを使って日々の経費や領収書を管理しやすくなります。日頃から少しずつ記帳・整理を進めて、確定申告前の負担を減らしましょう。
よくある質問
Q1. 請求書と領収書はどちらか一方だけ保存すればよいですか?
必ずしも両方が必要というわけではありません。重要なのは、取引内容や支払いの事実を確認できる資料を適切に保存することです。支払方法や消費税の課税状況によって必要な書類が異なる場合があります。
Q2. 請求書があれば領収書はいらないですか?
請求書だけでは、支払いが完了したことを確認できない場合があります。銀行振込なら振込記録、クレジットカード払いなら利用明細など、支払いの事実を確認できる資料もあわせて保存しておくと安心です。
Q3. 領収書をなくしたら経費にできませんか?
領収書を紛失したからといって、直ちに経費にできなくなるとは限りません。発行元への再発行依頼や、振込記録・カード利用明細など、取引と支払いを確認できる資料を用意しましょう。現金払いでは出金伝票を作成する方法もあります。
Q4. クレジットカードの利用明細だけで経費にできますか?
利用明細だけでは、具体的な購入内容が十分に確認できないことがあります。請求書やレシートなど、取引内容を確認できる資料もあわせて保存することをおすすめします。
Q5. PDFで受け取った領収書は印刷して保存すればよいですか?
電子メールなどで電子データとして受け取った請求書・領収書は、電子取引に該当する場合があります。その場合、電子帳簿保存法に基づいて電子データ自体を保存する必要があるため、印刷物だけを保存すればよいとは限りません。
Q6. 領収書にインボイスの登録番号があればインボイスになりますか?
登録番号だけでインボイスになるわけではありません。適格請求書には、登録番号のほか、取引年月日、取引内容、税率ごとの金額・適用税率、消費税額など、所定の事項を記載する必要があります。
まとめ(3行要約)
- ・請求書は代金を請求する書類、領収書は支払いを証明する書類で、基本的な役割が異なります。
- ・請求書だけで支払いを証明できるとは限らないため、銀行振込の記録やカード利用明細なども含めて、取引と支払いを確認できる資料を保存しましょう。
- ・電子データの保存やインボイス制度など、支払方法や取引状況によって必要な対応が変わるため、ルールに沿って管理することが大切です。








